株儲けの基本 日経平均株価と日銀短観

中長期投資では意外な指標が役立つ。日銀が発表する「日銀短期経済観測」だ。
東京市場はこの数字と連動しているのだ。




「短観」とか
「日銀短観」とか呼ばれている指標がある。
日銀と付くことから考えて、日本銀行=日銀が発表する経済データである。
調査されるのは3月、6月、9月、12月の年4回。
そしてその結果は調査の翌月の1月、4月、7月、10月になる。、
つまり3カ月ごとに発表されることになる。

何を表しているのか。
日本銀行が景気の現状と先行きについて企業に直接アンケートに応じてもらい調査する経済指標である。
調査の目的は大きく2種類に分類される。

計数項目 生産、売上、設備投資などの実績値や計画値。
判断項目 業績、仕入れ価格、資金繰りなどについて企業の判断や評価はどうか。



調査の対象となる企業は、総務省の「事業所・企業統計調査」(2001年10月実施分)をベースとした全国の資本金2,000万円以上の民間企業(金融機関除く)約22万社になる。
その中から日本銀行は業種別・規模別に一定の基準により対象企業を選定する。
そしてその企業は「事業所・記号統計調査」の実施に合わせて2,3年毎に見合わせている。

*業種区分 製造業(16業種)、非製造業(14業種)
*規模区分 大企業(資本金10億円以上)
        中堅企業(同1億円以上10億円未満)
        中小企業(同2千万円以上1億円未満)

なお補完資料として金融機関に対する調査もしている。
その対象となるのは、都市銀行・長期信用銀行・信託銀行、地方銀行・第二地方銀行協会加盟銀行、信用金庫、系統金融機関、証券、保険、貸金業・投資業等の7つの業態に属する808の金融機関になる。
日本銀行は、この中から業態別・総資産別の区分(18層)毎に、全国短観と同様に一定の基準を用いて調査対象企業を選定する。


以上のような調査対象者たちから寄せられたデータをもとに、各種の資料が作られるが、
それらの中で市場が最も関心を寄せるのが、「業況判断DI」である。
株式投資にもこの数字が非常に大きく影響する。
なおDIとは、Diffusion Index(ディフュージョン インデックス)の頭文字になる。

DIを調べるのに日銀はどんな質問をするか。

問い  貴社の業況についてどのように判断しますか?
答え  1、良い 2、さほど良くない 3、悪い

の3つから選ぶことになっている。
そして結果は、良いと答えた割合から、悪いと答えた割合を引いて求める。
その数字は最近では大企業製造業のDIが20ポイントを越えているが、最高レベルになると55〜65に達する。
ただし興味深いのは、このデータは

いまはその半値以下の水準ながら、次第に上昇する方向にある。
東京市場は基本的にこのDIと連動しているのだ。
中でも注目されるのは「主要企業・製造業の業況判断DI」になる。
ただし、このDIの数値は客観的な定量数値に基づく実勢の数字ではない。
各企業の主観的要素による数字です。
要するにアンケートに答えた社長やその代理人たちの景気に対する「実感」が数字化されているため、
彼らのその時の心理状態をも表していると言える。

この点非常にユニークな指標であり、株式投資にも大いに役立つデータになる。
株式投資でも投資家の「心理」が市場を大きく左右するからだ。
そのため今後製造業のDIが上昇するなら東京市場=日経平均も上昇していく可能性が非常に高くなる。
そしてそれはDIが最高水準の55〜65ポイントに達するまで上昇を続けることになる。

中長期投資で成功するには、以上のようなことを念頭に置き、落ち着いて売買する。
前述したように目先下げることはあっても、DIが上向くならそれに合わせた動きになるため、間もなく浮上に転じることが多い。
つまり日銀短観は、日経平均の方向性を教えてくれるものであり、投資関係の重要データの一つとして発表ごとに必ずチェックしたい。
それは日銀が発表するたびに大手新聞に載るため、誰もが入手出来る点も好ましい。
それを活用することで株の勝利確率は高まる。
日銀短観で大企業製造業のDIが上がり続ける限り、持ち株の多くは所有しているだけでもかなり大きな成果をもたらしてくれるはずだ。
日経平均も同様に上昇し続けるだろう。


中長期投資なら日銀短観を大事に見よう。
これを忘れないようにしたい。

[2007年4月2日発表]

第132回 全国企業短期経済観測調査

調査対象企業数(社)
              製造業  非製造業  合計 (回答率)

全国企業         4,538    6,420   10,958 ( 98.7%)
  うち大企業     1,252    1,227    2,479 ( 99.3%)
    中堅企業     1,240    1,707    2,947 ( 98.3%)
    中小企業     2,046    3,486    5,532 ( 98.6%)
<回答期間>   2月 23日 〜 3月 30日

   (注)以下の計数は、いずれも2007年3月調査における調査対象企業見直し後の新ベース。

(参考)事業計画の前提となっている想定為替レート(大企業・製造業)
  <円/ドル>
             2006年12月調査    2007年3月調査
    2006年度    114.06            115.01
        上期    114.71            114.74
        下期    113.44            115.26

    2007年度       ―             114.32
        上期       ―             114.37
        下期       ―             114.27





[業況判断DI]
(「良い」−「悪い」・%ポイント、 (  )内は前回調査時予測)

             2006/12月2007/3月  12→3月 2007/6月  3→6月
                                変化幅  まで(予)  変化幅
  <大企業>
                        ( 22)
   製造業        25       23      - 2       20      - 3
                        ( 21)
   非製造業      22       22        0       23      + 1

  <中堅企業>
                        ( 13)
   製造業        21       16      - 5       12      - 4
                        (  5)
   非製造業       7        5      - 2        4      - 1

  <中小企業>
                        (  7)
   製造業        12        8      - 4        7      - 1
                        (- 9)
   非製造業     - 4      - 6      - 2      -10      - 4

  <全規模合計>
                        (  5)
   全産業        10        8      - 2        5      - 3



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